なぜ池や川の中でも育つ植物がいるのか?驚きの根っこの仕組み。

樹木

田んぼでイネが水の中で育てられている景色は、今や日本人の感覚としては普通になりました。しかし、普通の植物は地上で育ちます。ほとんどの植物が地上で育つ理由は、根っこには酸素が必要だからです。このことは樹木の病気が分かる!見つけ方と対処法。でも説明しています。

イネの他にも、ヤナギやハンノキなど樹木でも水の中で生活する植物がいます。根っこに酸素が必要な植物が、なぜ水の中で生活できるようになったのでしょうか?今回はその不思議に迫ります。

根っこの特徴

樹木の根っこは、枝の広がった範囲と同じ位の範囲に広がっていると言われますが、自然状態では枝の広がりよりも根の広がりの方が広いことが多いです。根っこの主な仕事は水分を吸収することですが、水分を吸収するエネルギーに使われているのが呼吸で得たエネルギーです。つまり、酸素がなくては水分を吸収できないことになります。

根っこは酸素が多く溶け込んだ水分を求めるので、適度に隙間がある土壌が好みます。また、土壌表面の水の方が酸素が溶け込みやすいので、地表面近くに広く根っこを伸ばします。

根っこは全体で水分を吸収できるわけではなく、先端の新しく成長した部分でしか水を吸収できません。つまり、絶えず根を伸ばし続けないと水分が吸収できないのです。よって、根っこは枝よりも広く水分を求めて広がっていきます。

しかし、川の水や田んぼの水は水分量が多すぎて、十分な酸素濃度ではありません。なぜ水の中で生きていけるのでしょうか?

水中でも育つ植物の特徴とその理由

水中で育つ植物の根っこには、地上で育つ植物には見られない特徴があります。それは、根っこの表皮細胞の下に、空洞になった管状の隙間が見られることです。これは皮層通気組織といい、イネにも見られます。この皮層通気組織によって、ヤナギやイネは地上の呼吸で得た酸素を根っこに送ることが出来るため、水中でも生活していけるのです。

またヤナギなど水中でも地上でも生活できる植物は、地上で生活しているときには皮層通気組織の発達は見られません。つまり、土壌中の水分状況により、根っこの組織を変えることが出来るのです。

もう一種類面白い特性を持った樹木を紹介します。湿地に生息するラクウショウという木は、空気を吸うために膝根という地上に飛び出した根っこを発達させることがあります。膝根はスカスカで樹皮も薄く、空気を根っこに取り入れるためだけに発達した組織です。この膝根のおかげで、ラクウショウは湿地の中でも生活していけるようになりました。

 

 

以上、水中で暮らす植物の話しでした。海で暮らしているガジュマルなどの植物は、今回紹介した機能とは違う機能で水分を吸収していますが、別の機会でまた解説していきます。これからもたくさんの植物の不思議を取り上げていくのでお楽しみに。

ではまた。

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