樹皮の模様はなぜできる?

樹木

公園に生えている樹木をよく見てみると
隣の樹木とは樹皮の模様が違うことがあります。

これは同じ樹種でも、
樹齢や日当たりなどで様子が異なるからです。

また、樹木の中でも変わった樹皮をしている種類がいます。
有名なのはサルスベリでしょうか。
その名の通り、樹皮がツルツルです。

樹皮は植物の個性を知るための
とても大切な指標になっているのです。

そこで、今回は樹皮の不思議について
迫っていきます。

なぜひび割れているのか?
なぜ模様があるのか?

普段あまり疑問を持たないとは思いますが、
ここで基本を押さえておきましょう。

 

樹皮の生長

樹木の生長は、
樹皮と木材の間の部分で成長する肥大成長と、
枝先が伸びていく伸長成長があります。

樹皮の形成は、この肥大成長の過程で行われます。
肥大成長については
樹木の年輪は何故できるの?樹木の成長の不思議。の記事で
紹介しているので参考にしてみてください。

では、樹皮が成長すると
なぜいろいろな模様ができるのでしょうか?

 

樹皮のひび割れは成長の証

発芽してすぐの苗は、
幹のような硬い材はまだできていません。

樹木の種類にもよりますが、
平均で2~3年成長すると樹皮が出来てきます。

肥大成長をすると、茎の表面を覆っていた表皮が裂けます。
裂けた表皮は再び細胞分裂を始め、
茎の外側にコルク層、内側にコルク皮層を形成します。

縦に割れている樹皮の樹木は
上記の理由で模様を作っています。

例えばクヌギやコナラ、ウメなどは
樹皮が軸方向に割れているのが
よく観察できるでしょう。

コルクについては
コルクって何?形成過程と材質の秘密について。
に書いてあるので、この記事を読むと
より理解が深まります。

 

また、樹皮は割れるだけではなく
樹種によっては剥がれ落ちることもあります。

ケヤキなどが代表的な樹皮の剥がれ落ちる樹木です。

ケヤキの樹皮の剥がれ方は特に面白く、
カメの甲羅の模様のように剥がれます。

 

このように、樹木は成長の過程で
様々な模様の樹皮を形成します。

しかし、樹皮の肥大成長過程以外の要素で
樹木に模様がある樹種がいます。

次に、様々な樹皮の模様を見ていきましょう。

 

樹皮の模様の成り立ち

樹皮には割れ目や剥がれ落ちた後の他にも
様々な模様を作り出します。

 

まず紹介したいのが
樹皮のザラサラした突起についてです。

樹木の樹皮を見てみると、
たくさんのブツブツや突起状のものが
表面に付いています。

この突起物の正体は、
樹種によってそれぞれ異なります。

 

例えばサクラの樹皮にも
目のような形をした
横長の隆起した組織があります。

これは’皮目(ひもく)’といって、
樹木が呼吸している組織です。

人間も皮膚で呼吸をしていますが、
樹木も樹皮で呼吸をしているのです。

 

また、ブナやアオハダといった樹種は
樹皮が緑色や薄緑色の斑模様をしていることがあります。

これは地衣類(ちいるい)といって、
藻類と菌類の共生体です。

この地衣類が樹皮の表面に現れても
樹木の病気ではないので安心してください。

この地衣類は湿度の高いところや
空気のきれいなところで
よく発達すると言われています。

地衣類の付いた樹木は良い環境にいる証なのです。

 

その他にも樹皮は蘚苔類(せんたいるい:コケ植物)や、
サルノコシカケのようなキノコが生えるケースがあります。

コケが樹皮に生えている場合は
樹皮細胞の更新が行われておらず、
樹勢が弱まっている場合があります。

また、キノコが生えている場合は
すでに枯れている場合がほとんどです。

樹木の健康のサインとして
見逃さないようにしてあげてください

 

その他にも排気ガスによって樹皮が黒ずんだり、
病気によって樹皮がざらついたりすることがあります。

樹皮は様々なケースにより
姿かたちを変えているのです。

 

 

以上、樹皮の多様性についての解説でした。
樹木を観察するとき、花や実に目が行きがちですが、
樹皮を見るとまた楽しみが増えます。

ぜひ樹皮をじっくり観察して
上記の項目に当てはめてみてください。

ではまた。

コメント