花粉症の改善を林業に託すのは無理です

林業

サクラの蕾も膨らみ、
春がすぐそこまでやってきました。

この季節は外に出たくなる半面、
花粉症の人にとってはとても辛い季節です。

花粉症はスギ、ヒノキなどの
人工林に植樹されている針葉樹の花粉が
主な原因となっています。

では、なぜ原因が分かっているのに
対策が進まないのでしょうか?

今回は、林業の実態と今後の動向について推察し、
花粉症は改善されるのかを解説していきます。

 

人工林の歴史

花粉症の人にとって、
花粉を飛ばすスギやヒノキがなぜ植樹されるのか
理解できないと思います。

ということで、
まずは人工林の歴史を振り返ります。

 

戦後、日本はとても貧乏でしたが、
いろいろな経済政策を考えて復興を目指していました。

その中で建築、インフラ整備、輸出と
お金に代わりやすかったのが木材です。

このことから、国は木材の生産に目を付けました。

木材はまっすぐ育つ樹木の方が
使い勝手が良いため、針葉樹が選ばれました。

その中でも成長が早く、
良質な材が取れるスギやヒノキが選ばれたのです。

こうして日本の山の樹木は切られ、
スギやヒノキといった針葉樹が多く植えられました。

つまり、スギやヒノキの人工林の発達は
日本の復興と強い関係があったのです。

 

人工林が放置された理由

しかし、経済が成長するにつれ、
日本の木材は海外の木材の値段に
勝てなくなりました。

これは、海外の方が人件費が安いだけでなく、
地形や植生にも原因があります。

まず、日本の地形は山岳がとても多いです。
この山坂が激しい場所で林業を行うのと
平地で林業をするのでは単純に手間が違います。

日本の林業はまず山道を作り、
その先に林道を縫うように作ることから始まります。

その点、海外の平な土地で林業をやっている地域は、
集荷用の道を開拓するだけで良いのです。

また、日本は生物の多様性が他国とは比べ物になりません。
例えばヨーロッパでは植物の自生種が約1500種いますが、
日本では高尾山だけでも1200種いると言われています。

これだけ多様な植物がいるということは、
生物間競争が激しいことを意味します。

ヨーロッパでは林業種であるドイツトウヒの伐採後、
何もしなくてもドイツトウヒがまた成長します。

しかし、日本では一度伐採すると、
スギやヒノキが新しく成長することはありません。

これは他の植物の方が
スギやヒノキより成長が早いためです。

このため、日本ではスギやヒノキの
苗を作らなくてはなりません。

しかもある程度の大きさまで育てないと
周りの樹木に勝てないため、育成コストがかかります。

さらに、野ウサギやシカの獣害にあわないように
ネット等の対策も必要になります。

このような手間暇をかけて、
日本の林業は始まります。

ということは日本の林業では
海外と勝負できるはずがありません。
生産コストが違いすぎます。

 

こうして日本の林業は儲からなくなり、
廃れていってしまいました。

現在では間伐すらも行われていない人工林が増え、
材として良いものが極端に減ってきています。

 

花粉量の動向

さて、林業が廃れているということは、
花粉の量も少なくなるのかと思いますが、
そうはいきません。

スギやヒノキが花をつけるのは
だいたい樹齢10年経った頃から、
そして一番花量を付けるのは
樹齢が30年位たって大きくなってからになります。

そう考えると、経済成長期に植えたスギやヒノキたちが、
まさに今、盛大に花粉を飛ばしています。

こうして花粉症の原因である
スギとヒノキの本数も減らず、
花粉だけが増えていっています。

 

花粉症の救世主?無花粉スギとは

花粉症が大きな問題となり、
無花粉スギの研究が始まりました。

これはその名の通り
花粉を作らないスギです。

こらなら花粉で苦しまない!
ということなのですが、
実はこれも問題が山積です。

まず問題の一つ目、
今ある人工林をこの無花粉スギに植え替えるとなると、
だいたいあと350年位かかるそうです。

つまり、私たちの代で
無花粉スギの恩恵を得られることはありません。

そして二つ目、
植え替えは進まないという事実です。

現在も無花粉スギないし小花粉スギの苗は作られています。
しかし、新しく植樹されるスギ苗の
約75%は普通のスギです。

これはまだ実験段階ということもありますが、
花粉を減らしていこう!みたいな推進力が全然ありません。

つまり私たちの代はおろか、
子孫代々花粉に悩まされること確定です。

 

しかし、医学や産業分野の発展は目覚ましいものがあります。

アレルギー新薬の開発や
花粉を分解する壁塗料なども出てきました。

こちらの研究開発に期待しつつ
林業の動向を追っていく、というのが
今の私のスタンスになっています。

 

 

ということで、花粉症についての記事でした。
ちなみに花粉症は
排気ガスと一緒に吸引することで悪化するので、
田舎の方が症状が軽くなったりします。

田舎に引っ越そうかな…

 

ではまた。

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