意外と難しい庭木の剪定時期

庭、ガーデニング

5月も半ばに差し掛かり、
樹木の新芽も色が濃くなってきました。

しかし、この季節はどんどん庭木の枝葉が増え、
大変なことになっている方が多いのではないでしょうか?

しかし、剪定のタイミングは
少しでも間違えてしまうと
樹木の元気がなくなってしまうことがあります。

枯らすために剪定したわけではないのに…
ということにもなりかねません。

 

ということで、今回は樹木の剪定のタイミングについて
紹介していきます。

ポイントを押さえれば難しいことはないので、
気軽に読み進めてください。

 

剪定のタイミングを決める要因

樹木の剪定のタイミングは、
樹木の生育の特徴と、そのタイミングに
合わせて行うのがベストです。

日本の樹木はだいたい春先に芽吹き、
梅雨前まで枝を伸ばし、
その後は土用芽や秋芽が伸びます。

その後、落葉樹は10月頃に落葉樹は紅葉し始めて、
落葉後には休眠します。

常緑樹も、冬でも葉がついていますが、
休眠に近い状態まで活動しなくなります。

この四季を通した樹木の生活環は、
落葉樹、常緑樹、針葉樹によって違い、
それに合わせて剪定方法が違います。

つまり、樹種の系統と季節毎の成長の特徴を押さえれば、
いつ剪定したら良いのかが分かります。

ここからは、樹木の3系統を分けて
季節ごとの生理活動と剪定の関係について、
詳しく解説します。

 

落葉樹の剪定タイミング

落葉樹はサクラやモミジなど、
庭に多く利用される樹木です。

これらの樹種の特徴は、
冬に落葉し、休眠することです。

冬時期の落葉樹は、剪定や移植の適期です。

休眠期間は樹木の活動がほとんど停止しているため、
水を吸わなくても大丈夫であり、栄養もいりません。

また、春先に活動が活発化するときは、
昨年に溜めたエネルギーで活動するので、
根や枝をあまり必要としません。

しかし、必ずダメージはあるので、
必要最低限にすることが大切です。

特に、根回ししていない樹木の移植や、
太い枝の剪定は注意が必要です。

 

もう一つ注意点として、
冬の剪定は休眠に入るタイミングと、
活動し始めるタイミングの見極めが大切です。

休眠に入るタイミングは落葉してから
だいたい1~2週間後です。

また、休眠が解かれるのは樹種によって違います。

特にモミジの休眠は短く、
1月の終わりには水をあげ始めています。

2月にモミジの枝を剪定すると、
切り口から水が滴ってきます。

また、他のほとんどの樹種でも、
3月の後半には休眠が終わっています。

新芽が開かなくても樹木は起きているので、
そこは注意が必要です。

 

春になり、次に落葉樹を剪定できるタイミングは、
5月の後半から梅雨時期に入る前の期間です。

4月の半ばごろには新しい葉が展開し、
だんだんと枝が混んできますが
5月の半ばまでは剪定は行わないようにしてください。

実は、この新芽が出る時期は、
樹木にとって、一番体力のない時期です。

樹木は、次の冬越しをするために、
夏場にいっぱい光合成をしてエネルギーを溜めます。

また、樹木の冬越しするための栄養分は
新芽に詰まっています。

4月は根もまだ動き出したばかりの時期なので、
十分に活動が出来ていません。

つまり、栄養が溜まった枝を落としてしまうと、
樹木は栄養が足りなくなり、弱ってしまいます。

黄緑色の若葉の色が濃くなり、
一度枝の生長が緩やかになった時が
剪定のタイミングです。

徒長枝や混んだ枝を詰めてあげましょう。

この時期の剪定で、
一つ気を付けたいポイントがあります。

それは、徒長枝を元から抜かないことです。

徒長枝とは、その年に出た枝で、
長く伸びたものを指します。

この徒長枝は光合成効率が良く、
また、樹木が光合成を活発に行おうとしているサインです。

そのため、徒長枝を全て切られてしまうと、
光合成量が足りなくなり、樹木が弱る原因になります。

徒長枝を切る場合は何個か芽を残して、
短くする形で剪定してあげてください。

 

梅雨時期に入ると、落葉樹は剪定NG期間に入ります。

なぜNGかというと、
梅雨時期は湿度が高く、菌の繁殖が旺盛だからです。

剪定の切り口は菌にとっての進入路となり、
湿度と相まって、感染速度が上がってしまいます。

特に太い枝は絶対に切らないように注意してください。

 

また、梅雨明け後は夏もピークとなり、
暑さで樹木も弱ってきます。

つまり、この時期も剪定はしない方が良いです。

夏場の剪定は、樹木が一番栄養や
水分のやり取りをしているので、
バランスを崩した途端、一気に弱ってしまいます。

夏場の剪定だけは絶対に避けてください。

 

夏が過ぎれば、また剪定しても
比較的大丈夫な期間に入ります。

秋前に、一度形を整える程度の剪定をすると、
冬、落葉した時に良い樹形を保てます。

 

秋になり、休眠に入る時期は
また剪定NG期間です。

冬に向けて体力を蓄え、
樹木の生理状態が変わっている期間です。

この時にダメージを与えると、
樹木は弱ってしまいます。

 

このような一年のサイクルで
落葉樹の剪定管理をしてあげると樹木に負担が少ないでしょう。

また、メタセコイアなどの落葉針葉樹も
基本的には同じ考えで大丈夫です。

 

常緑樹の剪定時期

常緑樹も、基本的には落葉樹と同じような
生理活動サイクルを送っています。

しかし、落葉樹と大きく違うところは、
冬に休眠しないことです。

落葉樹は、冬が剪定や移植の適期となりますが、
常緑樹にとっては一番避けなければいけない時期です。

常緑樹は冬でも環境が厳しい中で
活動をしているため、そこでダメージを受けると
みるみる弱っていきます。

この時期だけは、常緑樹はそっとしておいてあげてください。

 

では、いつが常緑樹の一番の剪定適期かというと、
実は梅雨時期になります。

常緑樹は梅雨時期に体力が一番あるので、
この時期を狙って剪定や移植をします。

また、このタイミングで剪定を逃すと、
夏場に枝葉で蒸れてしまい、弱ることがあります。

後の期間は、基本的に落葉樹と同じです。

常緑樹は、夏と冬、そして春先は
剪定しないようにしてください。

 

針葉樹(コニファー)の剪定時期

コニファーの剪定時期は、4月から6月、
または9月に行います。

枝葉の密度が高い樹種は
刈込剪定でも大丈夫です。

しかし、コニファーは蒸れると枝が枯れやすいため、
定期的に透かし剪定も必要になってきます。

 

また、同じ常緑針葉樹であるマツは
全く別の管理方法になります。

マツの管理方法は、他の樹木と段違いで難しいです。

その理由は、マツの枝は
一度切ると生えてこないことに由来します。

これが、マツの盆栽が高額で取引される理由です。

非常に繊細な剪定技術が必要となるため、
マツの管理は庭師に任せる人が多いのも
この理由からです。

マツの剪定管理の方法は、
話が長くなるので割愛し、またの機会に解説します。

 

また、コニファーの仲間も同様、
一度枝を切ると、新しい枝が出てきにくいです。

枯らさないようにすること、
そして、慎重に切る枝を選んであげることが大切です。

 

 

 

ということで、今回は剪定の話しでした。

ほとんど樹木生理の解説でしたが、
この基本を押さえることがとても重要です。

特に落葉樹の休眠期の剪定と夏場の剪定では、
人間で例えると、無菌室で麻酔をして手術をするか、
外で麻酔をしないで手術をするか、というぐらいの差が出てきます。

樹木に対しても思いやりの心が大切です。

 

ではまた。

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