ニシキギ( Euonymus alatus )
〇科名:ニシキギ科
〇和名由来:秋の紅葉を錦に例えて。
〇学名由来:「Euonymus」=「eu(良い)」+「onoma(名)」で良い評判という意味。
「alatus」=翼のある の意。
〇別名:ヤハズニシキギ、ソメキ
〇広葉樹・落葉樹・雌雄同株
〇分布:日本各地の山野
〇葉の特徴
葉は2~7㎝の倒卵形または広倒被針形。
縁は細かい鋸歯があり、葉先は鋭く尖る。
秋には鮮やかに紅葉する。
〇花の特徴
5~6月頃、葉腋に淡黄緑色の小さな4弁花を付ける。
〇実、種子の特徴
10月頃、楕円形で朱色の実を付ける。
〇幹、枝の特徴
枝は翼が目立つ。
〇育成環境
土壌 | 潮害 | 耐寒 | 日照 | 乾燥 | 湿潤 |
壌土 | △ | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 |
〇暦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
開花時期 | ||||||||||||
果熟期 | ||||||||||||
剪定適期 | ||||||||||||
移植適期 |
〇管理方法
自然形がきれいなので、整枝剪定は透かすように行う。
刈込にも耐える。
〇病虫害
・ミノウスバ
成虫は開張30㎜程度。全体黒褐色で翅は半透明。
幼虫の体長は20㎜程度。全体が淡黄色で数本の黒い線が入る。
年一回発生で小枝に卵塊で越冬する。
羽化幼虫は3月下旬には発生する。
5月頃に葉を綴って繭を作り、10月頃に羽化する。
春先にマサキなどで大量発生する。
防除は幼虫発生期に捕殺するか、登録農薬を散布する。
〇利用、豆知識
山地に自生する樹木。
紅葉が美しく、庭木や街路樹に使われる。
世界三大紅葉樹の一つ。
枝の翼を乾燥させたものを衛矛(えいぼう)とよび、
月経不順の漢方として用いられる。
果実を砕いて水と油で混ぜて練ったものを髪に塗り、
シラミの駆除に用いた。
樹皮は紙の原料となる。
材は櫛や木釘、彫刻材などに使われる。
東北では男性が女性に求婚する際、
女性の家の前にニシキギの枝を置く風習があった。
承諾すればこの枝を取り入れ、
拒否すれば男性は3年間毎日置き続けたという。
これを「千束」といい、和歌の中でも歌われている。
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