樹木の病気はどこから侵入してくるのか?【植物病原菌の侵入経路を解説】

樹病・害虫

どうもカントーです。

 

植物の病気は、ある日突然発症していることが多くあります。

いつのまにか葉が真っ白になっていたり、茶色くなっていたり、
幹からキノコが生えていたり…  

では、これらの病原菌はいつ、どこから
樹木に入り込んでいるのでしょうか?  

 

ということで、今回は樹木の病原菌が侵入してくる メカニズムを解説します。  

 

樹木の病気はどこから侵入してくるのか?

人間であれば、病気の侵入経路は空気感染や接触感染により、
口や鼻などの粘膜を通して菌が細菌が侵入してきます。  

植物も同じで、菌が侵入してくる部分があるのですが、
果たしてどこから感染するのでしょうか?

まずは病原菌の解説をし、
その病原菌がどこから侵入してくるかを解説していきます。  

 

樹木の病原菌とは?

樹木の病原菌は主に以下の3つに分けられます。

  1. キノコ
  2. カビ
  3. その他の病原菌

 

まずは病原菌の特徴について 少し詳しく紹介します。  

 

①カビ

カビとは微生物の仲間の中で、
子嚢菌類(しのうきんるい)という分類の菌のことです。

カビによる病気には、多くの樹木が悩まされています。

例えばうどんこ病はカビによる被害の大きい病気の一つです。

葉っぱの表面で繁殖したカビが養分を吸収し、
また葉を覆うことで光合成阻害となり、葉枯れを起こします。

葉の他にも茎や花、果実などにも感染し、
農作物などで大きな被害をもたらす病原はほとんどカビ菌由来です。  

 

②キノコ

キノコは担子菌類に分類される菌類を指します。  

食べ物のイメージが強いと思いますが、
樹木にとっては病原菌になりうる危険な存在でもあります。

例えばシイタケやサルノコシカケは腐朽菌といって、
樹木を腐らせる働きを持っています。

腐生菌に感染すると樹木は腐ってしまい、
枯死や倒木する恐れがあります。  

 

また、樹木と支え合って生きているキノコもいます。

例えばマツタケはアカマツと共生関係にあり、
マツタケのような樹木と助け合って生きている仲間を共生菌といいます。

共生菌は樹木の根に取りついて樹木から有機物などの栄養を分けてもらい、
その代わりに菌糸で吸収したリンや窒素を樹木に分け与える役割を果たします。    

 

③細菌、ウイルス、その他

植物もウイルスや細菌の病気にかかることがあります。

幹が不整形に盛り上がっていたり、葉にモザイク状の病斑が出ているときは
細菌やウイルスが原因の場合があります。  

樹木や植物の病気で、病原が細菌やウイルスの病気に感染した場合は、
ほとんど対処法がありません。

病気にかからないように風通しを良くしてあげることや、
健康状態を維持してあげることが大切になってきます。    

 

樹木の病気の侵入経路

樹木が病気にかかるには、病気が入ってくるための侵入経路が必要です。

どこから病気が入ってくるのかを知っていると、
どの部分が病気になりやすいかが分かってきます。 主

な侵入経路は以下の5つです。

  1. 傷口侵入
  2. 表皮侵入
  3. 気孔侵入
  4. 水孔侵入
  5. 根部侵入

 

では詳しく説明していきます。  

 

傷口侵入

傷口から病原が侵入するのは人間と同じです。

人間の皮膚と同様、植物も幹なら樹皮、
葉ならクチクラ層を発達させて体を守っています。

しかし、この防御層に傷がつくと、
病原菌が侵入しやすくなってしまいます。

葉の細菌感染は、傷口があることで 感染しやすくなってしまいます。  

 

樹木の幹に発生するキノコなどの腐朽菌は
傷口から侵入することがほとんどです。

大きな剪定痕や枝折れがあるとたちまち感染します。

しかし、感染は内部で侵攻するので周りからは見えません。

キノコが発生した頃には手遅れのことがあります。  

 

また、病原菌の中には害虫と共生して
感染してくる病気もあります。

最近大きな問題となっているナラ枯病は、
菌と虫の共生によって起こる被害の一つです。

ナラ枯病は、カシノナガキクイムシという昆虫と
ナラ枯れ菌が起こします。

カシノナガキクイムシの背中にはナラ枯菌が潜んでおり、
キクイムシが幹を穿孔すると、そこからナラ枯菌が感染します。

菌が蔓延した樹木はキクイムシの幼虫にとって
とても食べやすくなるので、両社はウィンウィンの関係になっています。

 

表皮侵入

葉っぱの表面にはクチクラ層という層状の部分があります。

これは人間でいう皮膚の役割があり、
病害の侵入を防御しています。

 

しかし、健康状態が悪くなったり、強い病原の侵攻を受けると
感染してしまうことがあります。

カビなどの菌類は葉に付着すると侵入菌糸を伸ばして
葉の表皮を突き破ろうとします。

また、菌糸の塊を形成して、表皮細胞を押し破る菌もいます。

 

このような攻撃を受けて、植物の葉は病気になってしまいます。

 

気孔侵入

植物の葉には気孔という穴が開いています。

この穴は主に二酸化炭素を吸い、水蒸気を吐き出す器官です。

細菌の場合は、気孔の周辺に集積して、中に侵入します。

菌類の場合は気候周辺で発芽した胞子から菌糸が伸びて、
気孔の中に侵入してきます。

人間も口や鼻などから菌が侵入することが多いですが、
植物も同じように開いた器官から病気が侵入してきます。  

 

水孔侵入

あまり知られていませんが、植物の葉には水孔という器官があります。

葉には葉脈があり、その先端には穴が開いています。

それが水孔です。  

水孔では気孔を閉じている間も水分を排出する機能を持っています。

朝、イネなどの植物の葉の縁に
小さな水滴が溜まっていることがあります。

これは水孔から押し出された水の塊です。

 

この水孔の部分からも病気が侵入してくることがあります。

特に細菌類は水孔から侵入することが知られています。

 

根部侵入

植物の病気は根っこにも発生します。

私たちからは見えませんが、根っこは地中で絶えず成長しています。

 

植物は根の成長過程の中で、
主根の側面から新しい根を形成します。

これを不定根や二次根といいます。

この形成は根っこの内部で行われ、
表皮を突き破るようにして外側に出てきます。

この時に二次根と破れた主根の間にわずかな隙間が生まれます。

これを破壊孔といいます。

この破壊孔から細菌が侵入する孔が確認されています。

 

 

 

ということで植物の病気の侵入経路について解説しました。

樹木の病気は、元気にしてあげることはできても、
完治できないことが多いです。

一度感染すると、病気とは一生のお付き合いになってしまいます。

適切な場所に植えて、適度な剪定をして、しっかり追肥をして、
健康な状態を保ってあげることが 病気にならないための一番の健康法です。

 

ではまた。

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