草にはない樹木の特徴【幹の機能を解説します】

樹木

どうもカントーです。

 

樹木は人間の生活の中で街路樹や庭木などに使われますが、
建築や家具などの木材として使われる面もあります。

 

では、樹木はなぜ幹を発達させる進化を遂げたのでしょうか?

また、樹皮や幹の中の部分には、どのような役割があるのでしょうか?

 

今回はこの樹木の幹の仕組みにフォーカスして解説したいと思います。

 

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草と木の違いは幹の有無

普段、何気なく草と木を言い分けて生活をしていますが、
この違いを説明できる人は多くありません。

草と木の違いは、幹や枝があるかで判断することができます。

 

詳しく説明します。

 

樹木の特徴は、枝や幹が太くなっていくことが挙げられます。

これを肥大成長といいます。

肥大成長とは、樹皮下にある形成層という部分で細胞分裂して、
横方向に大きくなる成長のことです。

詳しくは以下の記事に書いてあるので、
良かったら参考にしてください。
樹木の年輪は何故できるの?樹木の成長の不思議。

 

つまり、草と言われるものは肥大成長はしません。

これが草と木の違いになります。

厳密にいうと、肥大成長する植物は木本植物といい、
草の分類の植物は草本植物といいます。

ちなみに、タケやヤシの木などは形成層がなく、肥大成長しないので
草の仲間になります。

 

幹の仕組みと機能

 

上述した木本植物は、肥大成長に伴って幹や枝を作ります。

この幹や枝にはいろいろな機能があります。

ここからは幹の仕組みと機能について解説します。

 

形成層の機能と仕組み

形成層とは、樹皮の内側にある組織のことで、
ここでは樹木の命に係わる大切な部分が集まる部分です。

形成層では主に、以下の二つの大きな役割があります。

 

 1.養分や水分の通道
 2.肥大成長

 

この二つの機能について解説します。

 

維管束の役割

この形成層には、葉で生産した栄養や、
根で吸収した栄養、水分の通道を行う管の束が集まっています。

この管の束を維管束といいます。

この維管束で、葉で作った糖を幹や根に送り、
土中から吸い上げた窒素、リン酸、カリ、その他ミネラルなどを
全身に運んでいます。

 

ちなみに、樹木が養分の通道を行っているのはこの維管束だけなので、
樹皮下まで到達する傷は、樹木にとって大ダメージとなります。

傷を受けた部分の上の枝が枯れることもあります。

また、形成層は樹木の中で栄養が集まっている場所なので、
菌が最も繁殖しやすい場所です。

 

肥大成長

形成層では、栄養のやり取りをするほかに、
上述した肥大成長も行われます。

肥大成長とは形成層の内側の二次篩部で行われる細胞分裂であり、
この細胞分裂によって段々樹木は太くなっていきます。

この肥大成長は、日本では主に春から秋にかけて行われます。

春から初夏にかけては、白くて柔らかい材を形成します。

この材は細胞壁が薄く、通水機能が良い特徴があります。

この材を早材、または春材といいます。

 

初夏から秋にかけては色の濃い、細胞壁の厚い材を形成します。

この材は早材に比べて堅く、
樹木を支えるための力学的強度を高める機能があります。

この材を晩材、または夏材といいます。

 

この色の薄い早材と色の濃い晩材が一年で形成されるので、
木材には年輪ができあがります。

年輪の本数を数えて樹木の年齢が分かるのは、
早材と晩材が一年周期で形成されるからです。

つまり、年輪を数えるというのは、
晩材を数えていることなのです。

 

樹皮の機能と仕組み

上述したように、樹皮下には形成層があり、
そこで樹木にとって大切な役割がたくさん行われています。

これを守っているのが樹皮です。

 

樹木は肥大成長をすると、表皮が引っ張られて縦方向に裂けます。

この樹皮が裂けると、部分の細胞が活性化して
細胞分裂を始めます。

この細胞分裂時に、外側に形成される組織がコルクです。

コルクについては以下の記事で詳しく解説しているので、
より理解を深めたい方は読んでみてください。
コルクって何?形成過程と材質の秘密について。

 

コルクは、全て死んだコルク細胞からできています。

このコルク細胞は隙間なくびっちり敷き詰められており、
細胞内は空洞です。

コルクの細胞壁には蝋物質のスベリンやタンニンが沈着しており、
水の浸透や害虫や菌からの侵入を防ぐ役割があります。

樹木の中にはコナラやクヌギのようにコルクを発達させる樹種もいますが、
サルスベリのようにほとんど樹皮を発達させない樹種もいます。

 

材の機能と仕組み

材とは、肥大成長によって内側に形成された細胞のことを指します。

つまり、木材として人間が使っている部分のことです。

 

樹木を横方向に切った断面を見ると、年輪があるほかに、
中心側の色の濃い部分と、外側の色の薄い部分があります。

この色が濃い部分は心材と呼ばれ、
色の薄い部分は辺材と呼ばれています。

 

この辺材と心材について解説します。

 

辺材の機能

辺材とは色が薄く、木材の外側にある部分を指します。

この辺材の機能は、木材を支えることと、
水分を運ぶ役割を担っています。

 

辺材の細胞は、水分を通道させるための道管、または仮道管の細胞以外は
ほとんど死んだ細胞です。

この死んだ細胞で樹木を支え、水分の通道だけ行っているのが
辺材の役割です。

 

心材の機能

材の中で中心側の色が褐色になっている部分を心材と呼びます。

辺材の細胞は道管細胞や、一部の放射細胞などは生きていますが、
心材の細胞は全てが死んでいます。

死んだ細胞は病気の抵抗を持たないので、
タンニンなどの抵抗物質をしみこませた結果、
心材は濃い褐色になっています。

 

とはいえ、やはり抵抗できない部分に菌が入ると、
たちまち樹木は腐ってしまいます。

樹木が腐朽菌の害を受けたとき、
幹内が空洞になってしまうのは心材が先にやられてしまうためです。

 

街路樹などで大きな枝を剪定しているのを見かけますが、
心材を露出するということは、とても危険なことになります。

病気にしてくださいと言っているようなものです。

樹木を剪定管理するときは、心材形成される前の細い段階から
樹形を予想しながら剪定していくことが大切です。

 

 

 

ということで、幹の組織がそれぞれどんな役割をもって、
どんな活躍をしているかの紹介記事でした。

根っこの機能を紹介した記事もあるので、
興味のある方はこちらもぜひ読んでみてください。
【水を吸うだけじゃない】根っこの機能を解説

 

ではまた。

 

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