【庭は要らない!?】外構はどこまで作りこむべきか

庭、ガーデニング

どうもカントーです。

 

私は前職ではハウスメーカーで
外構の設計、営業を担当していました。

また、今でも庭の設計や相談をよく受けることがあり、
いつもお客様の生活と庭について考えています。

 

「家」や「庭」の形は、古くから
あまり大きく姿を変えずにきました。

しかし、これからの「庭」の価値は、
今までとは全く違う形になると思っています。

そこで、今回はこれからの庭について、
時代の流れと私の所感を述べてみたいと思います。

 

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庭の価値観は一新される

社員の一人として庭を設計していた時代は、
売上を一円でも高く上げるために頑張っていました。

しかし、必ずしも高い値段をかけたからと言って
良い庭ができるわけではありません。

 

また、個々の家庭で、環境で、タイミングで、
それぞれの適切な形があります。

しかし、家や庭の形を変えるには、
大きな金額が必要になります。

 

時代は常に、そしてスピードを上げて
急速に変化しています。

そこには時代による家庭様式の変化や、世代間格差、
多様性など、いろいろな変化が含まれます。

35年ローンをかけて作った家が、
35年後に生活に合った家であるかは
定かではありません。

 

では、家の外の設計を考えたとき、
どうすれば良いのでしょうか?

先ずは今までの「いい庭」について
振り返りたいと思います。

 

今までの‘良い庭’の形

今日良いとされる外構の設計は、

①家族の今と未来を配慮し、
②安全性があり、
③使いやすく、
④家族の趣味、嗜好が繁栄されたもの

というのが一般的でした。

つまり、住まう家族の生活をメインに考えられた庭です。

家族でBBQができて、
お父さんがゴルフの練習ができて、
お母さんが家庭菜園をやって、
子どもが伸び伸び遊べる芝生があり、
お客様が来ても自慢できるような庭が
今までの理想形でした。

そして今もこのような庭が理想だと
大半の人が思っています。

 

しかし、これから先の時代は
この価値観が変わる可能性があります。

 

これからの‘良い庭’の形とは?

 

時代は移り変わり、
戸建てからマンションへの流れが顕在化して
しばらくが経ちました。

都会に住んでいる方のほとんどが
庭を持たない家に住んでいます。

しかし、戸建て庭付き住宅の人気は健在です。

やはり、プライベートを重視する方にとって、
また、家で暮らす時間の多い方にとっては、
他人に侵害されない空間はとても価値があるものです。

日本の近代的な考え方だと、「もの」は、
個人所有と公共に分けられてきました。

「家」は個人所有のものの中でも、
特に価格が高く、生活に影響を与える「もの」です。

 

しかし、最近になって上記とは違う流れが
時代を動かし始めています。

 

それが‘シェアリングエコノミー’です。

 

時代は‘シェアリングエコノミー’

シェアリングエコノミーとは、
読んで字のごとく「共有する経済」のことです。

今日では常にインターネットがつながる環境にあり、
どこかで余っているものや、一時的に使いたい人が
簡単にマッチングできる世の中になってきています。

 

この流れは、特に車業界に大きな変化をもたらそうとしています。

 

現代社会における車の平均稼働率は、
一日の中でたったの4.2%だと言われています。

つまり、せっかく車を購入しても、
95.2%の時間は、車を使っていないのです。

これを使いたい時間だけシェアできるようになれば、
車の必要台数は大幅に削減できます。

 

そして、この流れは他の業界、
つまり住宅や庭にも少しづつ近づいています。

例えばコワーキングスペースは
仕事場のシェアリングエコノミーであり、
スペースマーケットという会社は使ってない部屋を登録して
シェアリングできるサービスを提供しています。

つまり、会社の登記もシェア、会議室もシェアできる時代です。

 

また、シェアリングエコノミーとセットで
キーワードとなってくるのが
‘サブスクリプション’です。

サブスクリプションとは、
一定期間を一定の金額で使えるサービスです。

例えばNETFLIXは映画やドラマのサブスクモデルです。

 

この‘シェアリングエコノミー’と‘サブスクリプション’が
住宅にも適用されてきています。

現在の時点で「定額住み放題」のようなプランで
全国に拠点を持つ新しいタイプの居住方法が出てきました。

 

今までの住宅の概念は、
既に変わりつつあるということです。

 

庭のシェアリングエコノミーは…

庭のシェアリングエコノミーを考えたとき、
既に無料の庭が、全ての国民に提供されています。

 

それは「公園」です。

 

子どもが遊ぶにも困らず、
大人がランニングしたり、
コミュニケーションをとる場としても
大変有効な場所です。

また、BBQができる公園もあります。

庭を作る経費や維持費を考えたら
自宅に庭を作るよもり絶対的に安く済みます。

それでも公園ではなく、
自宅の庭に価値がある部分があります。

 

それはプライベートが確保されることです。

自宅の庭であれば人の目を気にせず、
ゆっくりとした時間を過ごすことができます。

しかし、上記したように、
わざわざ所有しなくとも簡単に借りられる時代に突入しました。

 

これらを踏まえて今後の‘庭’を考えたとき、
私は二つの選択肢があると思っています。

 

それは‘庭を借りること’か、‘貸せる庭をつくること’です。

 

前者は、例えば子供を目の届く範囲で遊ばせたいときに
とても有効です。

一回2000円で毎月借りたとしても、
庭の維持費と固定資産税を考えれば安く済みます。

そして、雑草の管理も、庭木の剪定も、
芝刈りも必要ありません。

今はまだ大々的なサービスは出てきていませんが、
シェアスペやスペースマーケットのようなモデルが
必ず出てきます。

 

また、最近では畑のサブスクモデルも出てきています。
道具は貸し出してくれるし、
必要なものはその場で買うこともできます。

BBQも、今では道具は全て貸し出し、
片付けまでやってくれるサービスがあります。

年に一回しか使わない道具をそろえる必要もありません。

 

そして、車もシェアリングする時代が来ると思っています。
自動運転が公道で実装されれば、
ステータス以外に所有する意味がなくなります。

購入費、ガソリン代、維持費、車検代、駐車場代など、
これらを合算した時に、車を購入した方が安いということは
まずないと言って良いでしょう。

つまり、駐車場もいらなくなる時代が
すぐそこまで来ています。

 

以上のことがクリアされたとき、
自宅で庭を持つ意味はかなり薄れてきます。

 

 

そして、後者の‘貸せる庭’ですが、
つまりマネタイズできる庭を作ることが重要です。

例えば、自宅の庭に、一か月の間に一回も使わない
ウッドデッキがあるとします。

自分たちにとっては無用の長物です。

しかし、外周りを気にせずお茶をしたり、
ゆっくり井戸端会議をしたいマダムは
近所に意外とたくさんいるはずです。

その方たちにとっては、その使っていないスペースが
需要そのものになります。

‘借りる’方で紹介したように、
子どもを近くで遊ばせながらママ友会をしたいという
要望にも応えられるでしょう。

つまり、これらの層をターゲットにして、
あらかじめ庭を作るというのもこれからの時代はアリだと思います。

 

しかし、マネタイズするにあたって、
差別化の戦略は絶対的に必要です。

子どもが安全に遊べるスペースや、
バラ園でお茶ができる庭、
キレイな和風庭園、ハーブ園などなど、
付加価値のある庭を造る必要があります。

 

 

これらを踏まえて考えると、
これから作る庭は極端に二通りに分けた方が良いと思います。

 

それは、
庭を造らない」か「付加価値の高い庭を作る」かです。

 

中途半端に予算と家族の意見の折衷案で庭を作ると、
誰も使わない、人にも貸せない、
維持費や管理労力だけがかかる庭になってしまいます。

時代を読み、また、本当に庭を使うのかをよく考えてから
外構の設計をした方が良いと思います。

 

 

今回の話は、庭の設計だけで生計を立てていたら
絶対に言えないことでした。

しかし、時代は明らかにこの方向で進んでいくので、
これから家や庭を考える方には
一度立ち止まってこの考えを参考にしていただけたらと思います。

 

 

ちなみに、働いている我々設計者にも同じことが言えます。

ポストや駐車場のだけの設計は
AIが測量図から勝手に作り出すようになり、
付加価値の高い庭が作れないと
生き残っていくことはできなくなります。

つまり、設計をやめるか、
価値のある設計ができるようになるかの
どちらかを選ばなくてはいけません。

私は普通の外構設計だけではジリ貧なので、
樹木を特化させる方向に舵切りしました。

おそらく庭木の選択、管理における経験と知識量は
そこらの設計者には絶対に負けないと自負しています。

 

時代を受け止めて、常に先を考えて準備することが大切です。

 

 

 

ということで、今回は庭の未来についてのお話でした。

今までも庭は手間が少なく、
お金がかからない方向へ進んでいましたが、
一部の庭は、これからはお金を稼げるものへと進んでいきます。

時代の変化は激しすぎて読めない部分もあるので、
絶対とは言い切れませんが…

 

とりあえず私は今、「所有」を極限まで減らしています。

物を持っていると大きく舵を切るときに
絶望的な労力とコストが発生するからです。

今の時代、そしてこれから先の時代は、
物を持たないことが最大のリスク管理になると思っています。

庭だけでなく、家も持たなくなる時代が
すぐそこまで来てますね。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

ではまた。

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