樹木が枯れる原因とは?病原菌のキノコとカビの実態!

樹病・害虫

普通に生活をしていると「菌」という言葉をよく耳にします。

雑菌、細菌、乳酸菌、また麹やカビなども、
菌類としてまとめて扱われますが、果たしてどこまで
一纏めにして話せるのでしょうか?

実は、同じ菌と称されるものでも、
例えばキノコとカビは生活の仕方が全く違い、
とても一緒に語れるようなものではありません。

人間に例えると、「犬と人間は同じ哺乳類だよね!」と
言っているようなものです。

この菌類は、樹木にとっては病原菌として扱われることが多くあります。

 

今回は植物の病気の原因にもなる「菌」について解説していきます。

 

菌類について

菌類の分類は生物学的にはとても細かく、
また分かりにくい名前がついていたりする現状があります。

また、専門の方が菌類を話されるとき、
その菌類の定義に細菌を含む、含まないなど、
その人がどこまでを菌類として扱っているかで決まってきます。

これらが原因で、菌類の分類が
ごちゃごちゃになってしまっていると思っています。

ちなみに広辞苑では以下のように記述してあります。

 


きのこ・かびなど変形菌、真菌類の総称。(抜粋)

 

とても簡単に記述してあります。

ちなみに真菌類とはカビ、キノコ等の仲間を指し、
変形菌は粘菌類の仲間を指します。

しかし広辞苑には以下のような記述もあります。

 


また、広くは細菌、放線菌、真菌類などの総称。

 

つまり定義がガバガバなので、
あまり気にしなくても問題ない言葉とも言えます。

しかし、ある程度の分類については理解しておくと分かりやすいので、
以下にまとめてみました。

〇微生物
・細菌・・・シアノバクテリア、腸内細菌、根粒菌など
・古細菌・・・メタン生成菌など
・真菌類・・・子嚢菌類(カビの仲間)、担子菌類(キノコの仲間)など
・卵菌類
・粘菌類
・微細藻類
・原生動物

つまり研究者でもない限りは、
菌類は微生物の中で真菌類を含むその他菌類という認識で
大丈夫かと思います。

また、微生物学として扱うときは、
上記にプラスして、ウイルスを取り扱う場合があります。

 

キノコとカビの話

微生物の分類で記述した通り、
キノコとカビは真菌類の仲間になります。

同じ仲間のキノコとカビですが、特徴は全く変わってきています。

ここからはキノコとカビの特徴について解説していきます。

 

キノコの話し

キノコは真菌類の中で担子菌類に分類されます。

担子菌類の特徴は細胞に大きく表れるのですが、
ここでは分かりにくいので割愛します。

私たちの目に映る特徴として、
最も分かりやすい特徴は子実体(キノコのこと)を形成することです。

ではなぜ担子菌はキノコを作るかというと、
それは子孫繁栄のためです。

キノコの裏側にはひだ状のもの、
または穴が空いている種類のキノコがあります。

売っているシイタケの裏側を見るとひだがあると思います。

担子菌はそこで胞子を作り、飛ばすことで増殖していきます。

飛んでいった胞子は降り立った場所で菌糸を伸ばし、
他の同種のキノコから飛んできた胞子の菌糸と融合することで
新しい個体が誕生します。

 

キノコは食べ物のイメージが強いと思いますが、
樹木にとっては病原菌になりうる危険な存在でもあります。

シイタケやサルノコシカケは腐生菌といって、
樹木を腐らせる働きを持っています。

サルノコシカケが出ている樹木は
倒木や枝折れの危険が極めて高い状態といえます。

 

また、樹木と支え合って生きているキノコもいます。

それがマツタケです。

マツタケはアカマツと共生関係にあり、
マツタケのような樹木と助け合って生きている仲間を共生菌といいます。

共生菌は樹木の根に取りつき、
樹木から有機物などの栄養を分けてもらいます。

その代わりに菌糸で吸収したリンや窒素を
樹木に分け与える役割を果たします。

生物種を超えて協力し、
共存する美しい姿が土の中で繰り広げられているのです。

 

カビの話し

カビというと、水回りに発生する頑固な汚れのイメージや、
梅雨時期にパンに付着するカビを想像する方が多いと思います。

しかしカビにもいろいろな種類があり、様々な特徴があります。

 

まず、カビは微生物の分類リストで示した通り、
子嚢菌類の仲間になります。

子嚢菌類とは、胞子を子嚢殻で作ること等が挙げられます。

カビという言葉には嫌なイメージが先行していますが、
現実とは裏腹に世界中でとても役に立っている貴重な生物種でもあります。

 

例えば有名なのは麹です。

実は清酒、醤油、味噌などは、
麹カビの作用で美味しくなっています。

またチーズの発行も青カビの仲間ですし、
カビを産業的に生産し、薬を作ることも少なくありません。

カビは見えるところでは悪い菌ばかり目につきますが、
私たちの生活に欠かせないものになっています。

 

しかし、カビというのは病気の原因にもなります。

私たちも、抵抗が弱ると肺の中で増殖し、
呼吸困難になってしまうアスペルギルス症という病気にかかることがあります。

植物も一緒で、カビには多くの樹木が悩まされています。

有名な病害を挙げると、うどんこ病はカビによる被害の大きい病気の一つです。

葉っぱの表面で繁殖したカビが養分を吸収し、
また葉を覆うことで光合成阻害となり、葉枯れを起こします。

その他にも葉っぱに斑点が出てしまう病気や、枝を枯らしてしまうものなど
多くの病気はカビ菌が由来です。

カビ菌が病原の病気は防除が難しいので、
葉っぱに病斑が出たり、粉状のものがついていたら
早めに調べて対処することが大切です。

 

 

以上、キノコとカビの特徴、また植物との関係を紹介しました。

植物の病気はほとんどがカビ、キノコといっても過言ではありません。

特に大きな樹木にキノコが生えていた場合は、
強風による倒木や積雪による枝折れなど、大きな災害に繋がる事態になりかねません。

庭木や街路樹など、近所の樹木を注意深くパトロールしてみてください。

よく見ると根本付近に大きなキノコが、ということもよくあります。

 

ではまた。

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