イチイガシ( Quercus gilva)
〇科名:ブナ科
〇和名由来:薪に使われたため、イチヒ(最火)から転じたという説。
〇学名由来:「Quer」=ケルト語で良質の+「cuez」=木材。
「gilva」=赤みのある黄色の意。葉裏が黄褐色のため。
〇別名:イチガシ、エッチイガシ
〇広葉樹・常緑樹・雌雄同株
〇分布:関東南部以西の暖帯林
〇葉の特徴
葉は倒披針形で状半部に鋸歯がある。
葉の裏は淡い黄褐色。
〇花の特徴
4~5月頃に新枝の基部から雄穂が垂れ下がる。
雌花は新枝の上部につく。
〇実、種子の特徴
堅果(どんぐり)をつける。
〇幹、枝の特徴
若いうちはシラカシに似て灰色で平滑だが、
樹齢を重ねると不規則に割れて剥がれ落ちる。
〇育成環境
土壌 | 潮害 | 耐寒 | 日照 | 乾燥 | 湿潤 |
埴壌土 | △ | △ | 〇 | 〇 | 〇 |
〇暦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
開花時期 | ||||||||||||
果熟期 | ||||||||||||
剪定適期 | ||||||||||||
移植適期 |
〇管理方法
新芽が固まる5~6月頃に剪定し、9~10月頃にもう一度整枝する。
また、真夏や厳冬期の剪定は避けるようにする。
寒さに比較的弱い。移植は困難。
〇病虫害
・うどんこ病
新葉に発生し、葉の両面に白い粉状の菌が付き、葉が縮れたり波打ったりする。罹病すると成長が抑制される。葉の裏に発生する場合もある。発生が確認されたら病葉は焼却処分する。また、発見したら早期に散布用の殺菌剤を1~2週間おきに散布する。
・紫かび病
うどんこ病の一種。夏前に発生し、葉の両面に白い粉状の菌が付く。秋になると灰褐色になり、厚いビロード状となる。葉の裏に発生した場合は褐色~濃紫色の菌のビロード状の塊が付着し、病斑の周りが黄色くなる。発生が確認されたら病葉は焼却処分する。また、散布用の殺菌剤を1~2週間おきに散布する。
〇利用、豆知識
和風、雑木の庭に合う。
大きくなるので狭いスペースには不向き。
材は堅く、建材、器具材に使用される。
実は縄文時代から食用とされ、
他のカシ類より渋みが少ない。
木の姿が雄大なので、社寺境内に植えられ
神木として崇めているところがある。
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