最近は緑化が見直され、
屋上やテラスなど、
至る所で植物が植えられています。
特に病院や介護施設などでは
緑地を必ず見かけます。
では、実際に利用者さんたちは、緑地があることで
精神的に良好な状態を保てているのでしょうか?
ということで、今回は介護施設の屋上緑化における
利用者のリラックス効果を調べた論文を紹介します。
研究の内容
今回紹介する論文は
「屋上森林が要介護者に及ぼす主観的リラックス効果」
という論文です。
実験の主な内容は以下の通りです。
- 徳島県にある老人保健施設の屋上森林で実験を行った。
- 対象は施設利用者の要介護高齢女性患者30名。
- (66~95歳、平均年齢81.2歳)
- A班、B班に、15人ずつに分けて主観評価を実地。
- A班は施設内の前室、屋上森林、屋外駐車場の順で
それぞれ評価を行ってもらった。 - B班は施設内の前室、屋外駐車場、屋上森林の順で
それぞれ評価を行ってもらった。
ちなみに、主観評価の内容は以下の項目を
7段階で評価してもらいました。
- 抑うつー気分が明るい
- 物事に興味を感じないー物事に興味を感じる
- 悲しいー楽しい
- イライラするー受け入れられる
- 不安ー安心
結果
結果、この実験では、すべての評価項目で
屋上森林で評価の有意な上昇がみられました。
特に、2「物事に興味がある」と、5「安心する」についての評価は、
対象実験と比べて、150%以上高い値を示しました。
今回紹介した実験では生理学的反応まで解析していませんが、
やはり緑はリラックス効果をもたらすことが分かりました。
病院や介護施設等、
精神状態が不安定な方が集まる場所では、
屋上や緑地の植物の視覚効果で、
その不安を和らげてあげることが出来ると言えそうです。
ということで、今回も自然セラピー系の
論文紹介シリーズでした。
自然によるリラックス効果はいろいろな実験で
結果が出ており、エビデンスが整いつつあります。
是非、皆さんの生活にも緑を取り入れ、
精神的に豊かな生活を目指してみてください。
ではまた。
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