モチノキ( Ilex integra)
〇科名:モチノキ科
〇和名由来:樹皮からとりもちを取ることから
〇学名由来:「Ilex」=セイヨウヒイラギのラテン名。
「integra」=全縁の の意。
〇別名:トリモチノキ、モチ
〇広葉樹・常緑樹・雌雄異株
〇分布:本州以南の暖地
〇葉の特徴
葉の長さは4~7㎝程度で互生する。
革質で、葉の表面には光沢がある。
葉の縁は全縁で先端は鈍く尖る。
葉表は濃緑色で葉裏は黄緑色。
〇花の特徴
4月に淡黄色の花をつける。
4枚の花弁で、群生する。
〇実、種子の特徴
雌木は11月に球形の実をつけ、赤く熟す。
〇幹、枝の特徴
灰白色で平滑。まばらに皮目が目立つ。
〇育成環境
土壌 | 潮害 | 耐寒 | 日照 | 乾燥 | 湿潤 |
壌土 | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
〇暦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
開花時期 | ||||||||||||
果熟期 | ||||||||||||
剪定適期 | ||||||||||||
移植適期 |
〇管理方法
剪定は新芽の固まった6月に行う。刈込に耐える。
刈り込んだ枝は風通しが悪くなるので、
2~3年に一回は透かし剪定をすると良い。
カイガラムシはすす病の元凶となるため、
見つけ次第削ぎ落す。
〇病虫害
・ルビーロウムシ
雌成虫の体長は約4~5㎜程度。あずき色で厚く、球状に膨れる。
年一回の発生で、6月から7月に幼虫が現れる。
9~10月に成虫になり、受胎した雌成虫で越冬する。
あずき色のロウ質物を分泌する。
走光性があり、樹幹の枝先に群生することが多い。
糞はすす病を併発させる。
発見し次第、ブラシの様なもので削ぎ落すか、
幼虫発生時期に農薬を散布する。
〇利用、豆知識
和風の庭に合う樹木。成長はゆっくり。
刈込に耐えるため剪定管理は容易。
生垣にも使用される。
英名は‘Holly’。ヨーロッパでクリスマスに使われる
セイヨウヒイラギは、ヒイラギの仲間ではなくモチノキの仲間。
樹皮をはがして水に漬けて腐らせ、
砕いて水にさらしたものを鳥もちとして利用する。
モチノキで作った鳥もちを本もち、
その他の樹種で作ったものを青もちという。
材は青がかった白色で、緻密で堅いため
印材や櫛に使われる。
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