樹木を剪定する意味とは?

庭、ガーデニング

5月になり、樹木はどんどん枝が増え、
葉が多くなっています。

この時期には造園屋さんも多く駆り出され、
あちらこちらで剪定作業をしているのを見かけます。

先日、こんな質問をいただきました。

 

「樹木にとって、剪定は必要なのでしょうか?」

 

樹木の立場で考えないと出てこない、
とても優しい質問です。

確かに、自然の状態では、剪定管理されない樹木が
森林を形成しています。

果たして、剪定は樹木にとって必要なのでしょうか?
それとも無駄なのでしょうか?

 

ということで、今回は剪定の必要意義について
解説したいと思います。

樹木を思いやったとき、
どのような管理をしてあげれば良いのか、
是非、読み進めながら考えてみてください。

 

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樹木を剪定する理由


樹木を剪定する理由については、
いろいろな背景があります。

例えば、枝が邪魔だから切りたい人、
キレイな庭を維持したいから樹形を保つために剪定する人、
落ち葉が嫌だから剪定する人などなど。

しかし、人間の都合で剪定すると、
樹木にとって大きなダメージを受けることがあります。

まずは、剪定によって受ける、
樹木のダメージについて説明します。

 

剪定による樹木の被害

家に植わっているほとんどの庭木は
剪定管理されています。

また、公園にある樹木や街路樹なども
定期的に剪定管理が行われています。

この剪定によるダメージは、
剪定の強度、また樹種や時期によっても
大きな違いが出てきます。

まずは、剪定のデメリットについて解説します。

剪定強度によるダメージの違い

先に、樹木の中身の説明をします。

樹木の枝や幹の断面図を見ると、
樹皮の中に白い材があり、
中心には色の濃い材があります。

この白い材を辺材といい、
茶色い材を心材といいます。

この心材は、細胞が全て死んでおり、
菌が入ってきても抵抗が出来ません。

何が言いたいかというと、
この心材が剪定によって空気に触れると、
樹木が病気にかかるリスクが上がってしまいます。

つまり、太い枝を切ることは、
樹木にとって、とても大きなダメージになります。

 

また、太い枝を切るということは
沢山の枝葉を落とすことになります。

樹木は葉で光合成をして、
そこで糖やエネルギーを作っています。

太い枝を切ることで大量の葉がなくなってしまうと、
樹体を支えるエネルギーを生産できなくなってしまいます。

このエネルギー生産がエネルギー消費に
間に合わなくなると、樹木は枯れ始めます。

強剪定で樹木が枯れる原因のほとんどが
この理由になります。

 

樹種による剪定ダメージの違い

剪定ダメージは樹種によっても違います。

基本的に、ダメージを受ける過程は、強剪定と同じです。

しかし、樹種によって生理反応や回復のスピードが違うため、
受けるダメージも変わってきます。

例えば、ソメイヨシノは他の樹種に比べて
腐りやすいことが知られています。

これは、心材形成が早いこともさることながら、
心材自体の腐りやすさにも関係しています。

サクラを切るときは、
親指以上の太さの枝を切るときは
殺菌剤を塗布するようにしてあげてください。

また、逆に回復が早い樹木や
病虫害に合いにくい樹種もいます。

しかし、腐朽リスクは抑えるに越したことはありません。

剪定に強い樹木でも必要最低限にすることが必要です。

 

剪定時期によるダメージの違い

日本には四季があり、
その季節によって、樹木の生理状態が違います。

例えば落葉樹は冬に休眠します。

この休眠期は、落葉樹は剪定適期となります。

その理由は、休眠期は生理活動がほぼ停止しているため、
枝がなくなろうが、ダメージを受けないからです。

しかし、あまりに枝を切り過ぎてしまうと、
春先に葉を展開した後、エネルギー不足で
枯れてしまうことがあります。

 

逆に常緑樹は、冬場の剪定を嫌います。

冬も葉をつけている常緑樹は、
寒い中でも頑張って活動しています。

その中で枝を切られてしまうと、
少ないエネルギーをさらに削られ、
大ダメージを受けてしまいます。

 

また、樹皮に強い日が当たると、
樹皮は割れてしまいます。

これは、枝葉があることで防いでいます。

特に冬場の常緑樹は、強剪定をすると
樹皮が割れやすい印象があります。

気を付けてあげてください。

 

剪定によるメリット

上記では剪定のデメリットについて語りました。

 

では、逆に樹木にとって、
剪定される必要はあるのでしょうか?

 

剪定をすると得られるメリットは、
大きく分けて二つあります。

一つは病虫害対策、もう一つは、植えられている場所に合った
樹形にできることです。

詳しく説明します。

 

剪定と病虫害の関係

剪定は、枝を透かすことで
樹木の風通しを良くします。

樹木に付く害虫は、風通しの悪いところに発生しやすく、
枝が混んでいるところは被害が出やすくなります。

また、病原菌も湿度が高いところに発生するので、
剪定をすることで病害の防除が出来ます。

しかし、この剪定で大切なことは、
上記で紹介した強剪定などを行わないことです。

強剪定をしないためには、細かい枝の時から
小まめに剪定して管理してあげることが重要です。

 

剪定と樹形の関係

樹木は、自然に生息している状態では
森林を構成する樹木の中の一本であることがほとんどです。

しかし、今は街路樹や公園木、庭木などとして植えられ、
周りに風を防いでくれる樹木がないことがあります。

また、周りに樹木がない状態だと、
自然の樹形とは異なり大きくなりがちです。

この条件が合わさると、風の抵抗が大きい樹木に
強い風が当たってしまうことになります。

この状況を緩和させるためには、
剪定をして、枝量をコントロールしてあげることが必要です。

例えば、公園の樹木の剪定では、
枝先を透かして風の負荷を減らしたり、
太い枝を育てて耐久性の高い樹体づくりを誘導しています。

 

このように、剪定にも樹木を守るための機能があります。

 

その他の剪定メリット

例えば、花芽を付けたり、
果実の収量を増やすために剪定を行うことがあります。

例えば私たちが食べているリンゴは、
花芽を多くつけるために、
徒長枝をほとんど取り除きます。

花芽は植物にとっての生殖器です。

この花芽を多く形成するときは、
子孫繁栄させなくてはいけないときです。

つまり、命に危険があると思ったとき、
樹木は花をつけ、種をたくさん作ろうとします。

果樹や生花の生産は、こういった樹木の特性を理解し、
効率良く商品をつくっています。

 

結論、剪定は適度にした方が良い

今までの話しを総括すると、
剪定は適度にした方が良いと思います。

樹木は適切な管理をすることで、
健康で元気な樹体を保つことができます。

しかし、樹木にダメージが残るような剪定は
避けるようにしましょう。

 

人間に例えると、剪定は薬の様なものです。

適切なタイミングに、適切な量を使うことで
健康になれます。

樹木も健康な体を望んでいます。

小まめに剪定管理をしてあげましょう。

ただ、樹木医の中には、
剪定しない方が良い派の方もいます。

 

 

ということで、剪定の話しでした。

樹木の特徴を考えて、
適切な管理をしてあげることの大切さが
少しでも伝われば幸いです。

 

ではまた。

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