エノキ( Celtis sinensis var japonica)
〇科名:ニレ科
〇和名由来:枝の多い木から「枝(え)の木」。諸説あり。
〇学名由来:「Celtis」=ホメロスが甘い果実につけた名前。
「sinensis」=中国の の意。
〇別名:エノミ、エノミノキ、ヨノキ
〇広葉樹・落葉樹・雌雄同株
〇分布:本州~九州の山地
〇葉の特徴
葉の長さは4~10㎝広卵形、または楕円形。
縁は上部に鈍い鋸歯があり、葉先は鋭尖頭。
葉の表面はやや暗緑色で、裏は緑色で3本の葉脈が目立つ。
秋は黄葉する。
〇花の特徴
春、新葉と同時に淡黄色の小花を咲かす。
〇実、種子の特徴
秋に赤褐色に熟し、果実は甘い。
〇幹、枝の特徴
小さな被目が目立ち、ざらつく。
樹皮の色は灰白色ないし灰褐色。
〇育成環境
土壌 | 潮害 | 耐寒 | 日照 | 乾燥 | 湿潤 |
埴壌土 | 〇 | 〇 | ◎ | △ | 〇 |
〇暦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
開花時期 | ||||||||||||
果熟時期 | ||||||||||||
剪定適期 | ||||||||||||
移植適期 |
〇管理方法
自然形がきれいなので、
剪定は枝元から抜くようにして行う。
成長は早い。
日本の国蝶であるオオムラサキの食餌木なので、
薬剤散布には十分注意する。
〇病虫害
・環紋葉枯病
Grovesinia pyramidalisが原因菌となる。
比較的湿潤状態が続くと発生しやすい。
輪紋が発生すると大型化し、葉枯れを起こし落葉する。
病原菌は落葉した葉の上に菌核を生じ、越冬する。
防除は発病した年の秋に、落葉を全て焼却処分する。
または登録農薬で防除する。
〇利用、豆知識
成長が早く、街路樹や公園、工場緑化などに用いられる。
かつては里程木として用いられ、
一里塚の指標として一定の距離間隔で植えられていた。
実は甘く、生食できる。
材は淡黄灰色で硬く、建築材や器具材に使われる。
榎の漢字は、中国では別の樹種に使われている。
オオムラサキとゴマダラチョウの食木。
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