ハルニレ( Ulmus davidiana )
〇科名:ニレ科
〇和名由来:春に花を付ける
〇学名由来:「Ulmus」=ニレのケルト語elmのラテン名。
「davidiana」=中国の植物採集家 A・ダビッドの の意。
〇別名:ニレ、ネリ
〇広葉樹・落葉樹・雌雄同株
〇分布:北海道、本州、四国の山地
〇葉の特徴
葉の長さは5~15㎝で倒卵形または倒卵状楕円形。
縁は重鋸歯があり、葉先は急に鋭く尖る。
基部はくさび型となり左右非対称の葉となる。
主脈を対象にして枝側が大きくなる。
葉の表面は濃緑色で微毛がありざらざらしている。
裏は淡緑色で脈沿いに短毛が密生する。
〇花の特徴
春、新葉と同時に黄緑色の小花を咲かす。
葯が赤褐色で目立つ。
〇実、種子の特徴
果実は倒卵形で翼が目立つ。
〇幹、枝の特徴
灰白色で縦に細かく裂ける。
〇育成環境
土壌 | 潮害 | 耐寒 | 日照 | 乾燥 | 湿潤 |
壌土 | 〇 | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 |
〇暦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
開花時期 | ||||||||||||
果熟時期 | ||||||||||||
剪定適期 | ||||||||||||
移植適期 |
〇管理方法
自然形がきれいなので、
剪定は枝元から抜くようにして行う。
耐潮性があり、海岸近くでも耐えることがある。
病虫害は多いが生命力は強く、枯損しにくい。
ベッコウタケ等の腐朽菌害が見られるので、
太い枝の剪定は極力避けるようにする。
浅根性のため、広い植生基盤が必要。
〇病虫害
・黒斑病
春、新葉が展開した直後、黒色の小さな点を円環状に群生させる。
病葉は夏ごろに早期落葉する。
発生生態はまだ詳しくわかっていない。
落葉した葉は焼却処分する。
・べっこうたけ病
根系や樹幹下部の傷から侵入し、材を腐朽させる。
病気が進行すると形成層を侵し、樹勢を衰えさせ、
最終的に枯死させる。
感染した樹木の材は白色腐朽を起こすため極めて脆弱となり、
倒木のリスクが高くなる。
子実体(きのこ)はサルノコシカケ型で一年生。
一度感染したら防除法はないため、
支柱で倒木しないように養生する。
〇利用、豆知識
北国の公園木の代表樹種。
高さ30m以上になることがあるので、
一般家庭の庭には不向き。
板材として建築や家具に使用される。
アイヌではハルニレの材で舟を作ることがある。
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