シラカンバ( Betula platyphylla var. japonica)
〇科名:カバノキ科
〇和名由来:樹皮が白いカンバの意。
〇学名由来:「Betula」=ラテン古名でケルト語のカバノキbetuに由来。
「platyphylla」=広葉の の意。
〇別名:シラカバ、カンバ
〇広葉樹・落葉樹・雌雄同株
〇分布:北海道~本州中部以北の高原や山地
〇葉の特徴
葉は5~8㎝で三角状広卵形。
縁には重鋸歯があり、葉先は鋭く尖る。
葉の表は濃緑色。裏は淡緑色で腺点がある。
葉は長枝では互生し、短枝では対生する。
〇花の特徴
春に葉の展開より先に咲く。
雄花は黄褐色で尾状に花穂が垂れ下がり、
雌花も穂状だが紅緑色で頂生する。
〇実、種子の特徴
果穂は円柱形で下垂する。
〇幹、枝の特徴
若木は赤茶色の樹皮をしている。
後に真っ白になり、薄い紙上になって横に剥がれる。
黒いへの字型の枝痕が特徴。
〇育成環境
土壌 | 潮害 | 耐寒 | 日照 | 乾燥 | 湿潤 |
砂壌土 | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 |
〇暦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | |
開花時期 | ||||||||||||
果熟期 | ||||||||||||
剪定適期 | ||||||||||||
移植適期 |
〇管理方法
非常に成長が早く、最終的には樹高20mを超す樹種である。
自然系が美しいので剪定は透かすようにする。
萌芽力が弱いため、大枝の切除は樹形を損ねる原因となる。
カミキリムシの害に注意。
肥大成長が早いため、支柱の結束障害が起きやすい。
耐陰性は弱いため、なるべく日の当たるところに植えた方が良い。
排気ガスに弱い。
〇病虫害
・ゴマダラカミキリ
成虫の体長は25~35㎜。全体は黒色で光沢があり、不規則な白斑が散在する。
雌雄で触覚の長さが異なり、雄の触覚は体長の2倍近くある。
通常年1回発生で、2年に1回のときもある。被害部内で幼虫越冬する。
幼虫は4月に蛹化し、5月下旬以降に成虫となり新梢部を加害し始める。
雌成虫は樹幹部に産卵し、幼虫は樹皮化を穿孔加害する。
成長に従って材の中に侵入していき、木くずを排出する。
防除は成虫を捕殺するか、成虫発生期に登録農薬を樹幹散布する。
〇利用、豆知識
きれいな樹皮をしているので、
庭園や公園などによく使用される。
伐採跡地や裸地に優先して生えてくる
パイオニア樹種の一つ。
種子は秋に発芽する性質と翌年の春に発芽する性質を併せ持ち、
確実に更新するための発芽システムがある。
北海道などの生息数の多い土地では
花粉症の原因となることがある。
材は建築や民芸品、細工物に用いられる。
また、樹皮が付いた丸太を柱として使用する。
樹皮を剥がして曲物や屋根葺に用いる。
雨の中でもよく燃えるため、薪としても利用されている。
北米やロシアでは、樹液からお酒を造る。
花言葉は「意気地なし」。
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